PSG Vol.10 東亜プランインタビュー

とうとう行ってきました。 縦スクロールシューティングを作らせりゃ日本一
今一番の注目メーカー東亜プランのインタビューへ!!

東亜プランを知らない人のために説明すると、 今までタイトーから発売されていた『タイガーへリ』 『飛翔鮫』『究極タイガー』『TATSUJIN』など共に ロングランヒットしたシューティングゲームの 開発メーカーです。
大手メーカーと比べると多少サウンドが貧弱と思っている方も 少なからずいると思いますが、意外にもゲームブレイ中に聴くと謎の 旋律『東亜節』によって洗脳されてしまい東亜サウンドの とりこになってしまうのです(そんなの俺だけ?)。
東亜についてわかってもらったところで(?) そろそろインタピューの方ヘ入ります。

東亜プランから弓削さん、上村さん、冨沢さんの3人。
インタピュアーはあべと小波津です。

    ――
    3人それぞれの代表作は。
    弓削
    タイガーへリ、飛翔鮫・究極タイガーは上村さんと競作で、 スラッブファイト、TATSUJIN、それと今度出る新作『鮫鮫鮫』です。
    上村
    ゲットスターは?
    弓削
    あれは代表作とはいえない(笑)。
    上村
    タイガーへリから始まって飛翔鮫、究極タイガー、 HELLFIRE、ZER0 WINGです。
    富沢
    撲はホラーストーリーとZER0 WINGだけです。
    ――
    サウンドスタッフは3人だけですか?
    弓削
    いえ、あと太田さんがいます。
    ワードナの森、ダッシュ野郎を手がけてます。
    ――
    シューティングは担当してないのですか?
    弓削
    大旋風を担当してます。
    ――
    どうりで。なんか雰囲気違うと思った。
    ――
    ゲームミュージックを作曲するようになったきっかけは?
    弓削
    この業界へ入ったきっかけは、小学校の時ピアノを 弾いていたことを面接の時に言ったらゲームミュージックを 作らされてしまった、っていうのが始まりです(笑)。
    ――
    結構な腕前なんですか?
    弓削
    いえいえとんでもない。
    ねこふんじゃったぐらいなら弾けます。
    ――
    ええっ、でもそれでサウンドスタッフやってるのはすごいじゃないですか。
    弓削
    最初はうまくいかなかったですね。やっぱり経験で。
    上村
    俣は音楽関係の仕事がしたくて束京へ出てきて、 初めレコーディングスタジオに少しいたんですけど、 そこでいざこざ起こしてやめまして、その後求人誌見てたら コンピュータミュージックというのが目について・・・ その時はその会社がゲームを作っているとは知らなかったんで、 今でこそ全盛ですけど当時は走りだったんでコンピュータで 音楽作ったら面白そうだな、と思って入ったらゲームを やらされてしまってそれ以来ズルズルとやっている、という。
    富沢
    僕の場合はコンピュータミュージックに興味があって そういう関係の仕事をしようと思って東京へ出てきたんですけど、 それで音楽閥係の専門学校に2年問通って その後1年間バイトしていて、 その時ゲームが好きだったんでゲームミュージックを やってみようと思ってずっといろんなところ まわったんですけどここで採ってもらって 今やっているといぅ状況です。 でもピアノとか全然習ったことなくて、全然弾けません。
    ――
    東亜プランの闘発チームってプログラマーとサウンドが兼任ですが、そこらへんの事情はあるのですか。
    弓削
    ケチなんじゃないですか(笑)。
    一人でいろんな事が出米るとそれだけ人件費が削減できる。
    ――
    3人共ゲ一ムデサイナー、プログラマーとしても 仕事しているのですか。
    上村
    どちらかというとそちらの方の仕事が多いんです。
    弓削
    ブログラム作ってるとサウンドの イメージがわきやすいというのもあるんです。
    ――
    作曲する際に参考にする音楽などありますか?
    弓削
    えぇ、多少は参考にしますけど、あまり参考にしすぎると パクったと思われますからなるべく分からないところだけ聴いてみて 例えばリズムのきざみ方とか。
    ――
    普段はどんな音楽を聴きますか?
    弓削
    ロックが多いですけど、 別に特別これが好きとかはありません。
    上村
    昔へピメタ少年でしたから(笑)。最近は・・・
    弓削
    民謡とか?(笑)
    上村
    なんか民謡ぼいのが多いってよく言われるんですけど、 別に民謡をよく聴いてるわけではないんで。 歌謡曲ってのは大体万人受けする音楽として 作られているので参考になりますね。
    富沢
    僕の場合は、コンピュータミュージックが 好きだからYMOとか。 あとピンクレディーが好きで、 それとゴジラのサントラ、歌謡曲ですね。
    ――
    具体的に好きなアーチストは?
    弓削
    イエスが好きで、あとピアノやってた関係で、 ベートーベン。
    上村
    初めはディープパープルにこりまして。 もともとメロディ主体にしたロックが好きだったんで最近ではヨーロッバ。
    富沢
    ポールモーリアから聴き出してYM0歌謡曲へと。
    ――
    作曲されるときはどのようにされるんでしょう?
    弓削
    会社ではキーポード使って、 家ではピアノを使ってですね。
    ――
    ギターとかは?
    弓削
    ギターでもやりますよ。
    較較鮫と究極タイガーはほとんどギターです。 TATSUJINはキ一ポードでしたけどね。
    ――
    曲のチェックはどなたが行なうのですか?
    上村
    それはそのチーム内で皆で言いあってチェックします。
    弓削
    サウンドを作らない人は、あまりはっきり 言ってくれないというか、 言いづらいと思うので、曲を流しておいてこっそり後ろから 近づいて何しゃべってるのかチェックして、 こそこそっと直します(笑)。
    ――
    イメージはどうやってわかせるのですか?
    弓削
    効果音だけ先に入れてゲームプレイしながら考える。
    ――
    どのようなところで、曲を作りますか?
    弓削
    風呂の中が殆どですね。口ずさむというか湯船で リズムをとってしまうっていう・・・
    上村
    電車の中っていうのが多いですね。大体会社では キーポードで作るんですが、あまりキーボードが弾けないので 今まで自分で作った曲を自分で弾けないんです(笑)。 だから大体口ずさんで頭のなかで組み立てたのを鳴らしながら 楽譜にするという。
    富沢
    僕は銭湯の帰りとか、いい気持ちになりながら。
    それで家にかえってシンセの前で口ずさみながらコンピュ一タに入れる。
    ――
    忘れないように足早になっちゃうんでしょ(笑)。
    ――
    それではZER0 WINGについて聞いていきたいと思います。
    曲のイメ一ジは?
    弓削
    私の作った1曲については、 正直言うとTATSUJINが終った後だったんで、 そのイメージが残っていてあまり イメージがわかなかったんですよね。
    ――
    富沢さんはホラーストーリーに続いてですが、 シューティングは初めての担当ということで、 作曲の際のエピソードなど。
    富沢
    ホラーストーリーは結構自由に作っていたんですが、 ZER0 WINGではイメージを統一させてまして、 結構ポツになりました。
    あと上村さんの曲に似てると言われまして。 すぐ人に影響されやすいもので。
    ――
    続いて鮫鮫鮫についてですが、較鮫鮫は飛翻較3ですか?
    弓削
    一応飛遡鮫2なんですけど。究極タイガーが2とか言われてますから。
    ――
    曲は飛珊較を意識して作られていますか?
    弓削
    それはあまり意識していません。
    絵が飛期鮫と似ているので若干似たような所はありますけど、 オリジナルとして扱ってます。

あんまり深く聞き込めなかったのが残念ですが、 この記専を読んでサウンドをもっと 知ってもらえれぼ光栄です。 宣伝しちゃうと、9月21日にZER0 WING、1O月21日に鮫鮫鮫のCDが発 売されます。私としては、ゲームを1度でも曲を聴いてブレイ されてから買ってもらうことをお勧めします。 (た〜んた〜んたぬきの…小波津)

初出:PSG Vol.10(89年9月 FSG発行)



なお、転載にあたって多少の変更を行っています。