PSG Vol.9 浅野孝己氏インタビュー

だぁ〜っ、ぢょなさんです。本日はタイトーの CHASE H.Q.の作曲者、元ゴダイゴの浅野さん宅へ まるちぷる半ちゃんと 一緒にインタビューに行ったのだぁっ!!
今までにない長時聞におよぶインタピューに 街はもう大騒ぎさぁ!!!
120分テープに録音したんだけど、たりないたりない。
まぁ、能書きはこのへんで・・・

――
では、まずプロフィールを・・・
浅野
以前ゴダイゴという売れないバンドをやってました(笑)。
で、4年ほど前に解散して、それから コンビューターをやりだしました。
それでタイトーのギターロポットの編曲を コンピューターでやるようになってから イロイロとコリだしてちゃって・・・
それで、そのつき合いでGMもやろうかと・・・。
――
どの様なゲームの作曲をなさったんですか?
浅野
CHASEやって、それが何となくヒットしちゃって、 エンフォースやって、スーバーマン、あとPCエンジンのバリバリ伝説かな。
――
タイトーさんと知り合う前とかGMって どんなのだか知っていましたか?
浅野
知っていたけどビコピコ言うだけの音楽だったでしょ、 それってつまらなくて、もうちょっとキチンとしたものを ゲームの中に入れてみたいというのはあったね。
――
他のメーカーさんのGMなんかは聴きますか?
浅野
イヤ、あんまり聴かない!(笑)。聞いちゃうとさ、 それっぼくなっちゃうでしょ。
ゲームセンターとか行かないしね。
――
作曲は自宅でなさっているんですか?
浅野
うん、ここの機材でつくってます。
――
じゃあMIDIデータの形でタイトーさんに渡すんですか?
浅野
そうそう。最初の頃は出来なかったけど、MIDlをFMのデータに藩とすコンパイラを作ってもらって、それで今はやってる。
出来ればサンブラーで作ったSEなんかとか、フロッピーでそのまま渡しちゃう。
――
FM音源の方はあんまりいじらないんですか?
浅野
最初やろうと思って、家で夜中やってたら、 気持ち悪くなっちゃてやめた(笑)。
で、それをどうカバーするかと言うと、 自分でサンプリングしてそのデータを渡して、 それをまた会社でサンプリングし直してゲームの チッブの中に入れちゃうのね。
それでCHASEの名前入れるところで MY NAME,YOUR NAMEとか言ってるでしょ、 あれって僕の声なんだよ。

この辺りであるニューゲーム曲を聞きながら、音楽的な話に・・・
(ここでのニューゲームは、90年に発売されたCHACE H.Qの続編、SCIのこと。)
浅野
最近のGMてさぁ、ベースなんかモロ、 コンビューターってわかっちゃうでしょ。
そこをあえて人問がやってるみたいにしたのね。 細かいフレーズとかって、例えばロックバンドとかで やっても聞こえないでしょ、だけど機械だと 平気でやっちゃうんだよ、それを。
それってミュージシャンに言わせればナンセンスなんだよね。 だからGMあんまり聞かないって言うのは、これなんだよ。
――
今ってコンピューターばっかりで、 ギターとかはやってないんですか?
浅野
いや、やってるよ。この前もバイトで 古〜い涙の出るような曲をやったよ。
だけど音楽の歴史みたいのがあるじゃない、 色々な音楽が流行ってとか・・・
そういうエッセンスもチョコチョコいれてんだよね。
――
GM作っている人って若い方が多いですもんね。
浅野
だからエッセンスの部分で違うから、同じ事やっても さっきのベースのフレーズみたいに違うんだよね。

ギターロポットの話に・・・
浅野
ギターロボットのアレンジを50曲近くやって発見したんだけど、 いかに人間の演奏がデタラメかっていうのが分かったのね。
オーケストラみたいに大人数になればなるほど、 いいかげんになるのね。それをビシッと合わせてあげるとキマルんだよ。
――
このロポットって売れたんですか?
浅野
いや、限定で作ったのみんな売れたみたい。
けど、ギターの情報量って凄くて、MIDIデータに直すと キーボードの3倍くらいあるんだよ。
――
じゃあデータ打ち込むのは大変でしたか?
浅野
地獄を見たよ。そんで暴走するんだよロボットが!!
弦弾きっぱなしになっちゃうんだよ(笑)。
そうなったらリセット押すしかないんだ。
――
では、最後に・・・
浅野
結局、僕の頭の中ではゲームの曲も普通の曲も 同じなんだよね。
たまたま発表する場所がゲームだったり、テレビだったり、 ステージだったりするだけで、制約は多少あるけれど同じだね。
――
今日はどうもお忙しい中ありがとうございました。


初出:PSG Vol.9(89年6月 FSG発行)



なお、転載にあたって多少の変更を行っています。